Corkscrew of the Week


これまで一品ずつご紹介してましたが、今週はヘンシェルタイプの一挙大公開です。 
この「今週のコルクスクリュー」も100週を区切りに一旦休憩しようと思ってますので、まだ出ていないアイテムをできるだけ登場させようという企画です。

Corkscrew of the Week #099 ( Nov 10 2002)
英国製 19世紀


アンティークコルクスクリューの一時代を画したアイテムがこのヘンシェルタイプです。
何といっても英国アンティークの代表選手なのでこれまで第一週目の Week1から始まって、Week76,
Week77 そして Week 78ではアメリカ製のものまでそのバリエーションをお見せしてきましたが、それでも間に合わないので一挙にご紹介します。 (これでもまだ江口のコレクションの全てではありませんが・・・)

英国でコルクスクリューに関する最初の特許を取ったということで有名ですが、特許者のサミエル・ヘンシェルにちなんで通常 「ヘンシェル・タイプ」 と呼ばれているものです。
特許のポイントはシャフトの中央部にあるボタンのような部分。 ワームをねじ込んでいくとこのボタンがコルクに接した瞬間にコルクが動くため、しっかり栓をされたコルクでも抜き易くなるというものです。 1795年に承認された英国特許番号2061番ですが、当時から抜き易いコルクスクリューがいかに待望されていたかを物語っていますね。

サミュエル・ヘンシェルと言う人はもともと実業家ではなく、オクスフォードのカレッジで学んでいた寮生だったようですが、ある日このアイデアを思いつきバーミンガムですでにコルクスクリューを製造していたマシューボウルトン氏に手紙を送り、これを共同特許者として特許出願してあなたのところで作らないかと持ちかけたのです。  いったいどれくらい売れてどれくらい儲かるかというような具体的な提案が書かれた1795年の日付入り手紙が残っています。
結局特許はヘンシェル氏の単独特許になっているので、マシューボウルトンは共同特許者というヘンシェル氏の申し出は断ったようですが、事業化には着手し、翌月には下請けの製造者に製品の詳細なスケッチを添えて発注したという記録が残っています。

学生が特許を取って、事業家のところにアイデアを売り込みに行ってそれを事業化する、という今日はやりの産学協同のベンチャービジネスのモデルがコルクスクリューという製品に関しておこなわれた訳です。  やはり英国は先進国だという感動をおぼえるような話ですね。 それと、コルクスクリューをはじめとする機械工作製品が、現代のITだとかバイオといった、先端的なアイデアを競う分野だったって言う点も面白いですね。
 
ボウルトン氏の手によって市場に出された初期のオリジナル製品には OBSTAND PROMOVES という刻印があり、これがあるとお値段は一桁以上違ってきますが、ごく普通のヘンシェルタイプは100ポンド前後で購入できます。

(1ポンド=約190円)


バックナンバー これまでの「今週のコルクスクリュー」が
こちらで見られます。