オランダ製のシルバーは以前に Week26 でも別のアイテムをご紹介しました。 おタカラコーナーでご紹介したのはそうしたダッチシルバーのコルクスクリューの中でも特に装飾性に優れた特筆すべき一品で、今週はその素性とか江口のコレクションに入るに到った経緯などをご紹介しましょう。
ヨーロッパで栄えた国がヨーロッパ以外の世界を制覇しようとするいわゆる大海洋時代はポルトガル、スペインの競争によって幕が開けられたのですが、18世紀にはいるとオランダと英国が主導権を握るようになりました。 日本でも江戸時代に蘭学とエゲレス渡来の学問が覇を競ったという時代がありましたよね。
ワインの世界でもワインをボトルで保存するということに関しては、オランダが英国とほぼ同時期に始めており、初期のものでは17世紀頃からあったといわれているオニオンシェイプのワインボトルでも有名です。(このアンティークワインボトルのコレクターもまたなかなかうるさい人たちの集団なのです)
そんな訳で、オランダという国はワインアンティークの分野ではなかなか存在感のあるアイテムを残しているのであります。
コルクスクリューの分野では、オランダはなぜかミニチュアの方が良く知られており、このアイテムもサヤに収めた状態で全長が10センチという小型のものです。
その特徴は何と言っても精巧にエングレーブされたその外観にありまして、材質にシルバーを使っていることともあいまって、これ以上はないような工芸品的価値をかもし出しています。
このアイテムを入手したのはロンドンのクリスティーズで行われたオークションです。 たまたまダッチシルバーのロットがいくつか続き、最初のロットからビッドし続けたのですが、予定の価格を大きくオーバーするものばかりで、今回もまたダッチシルバーは高嶺の花かとあきらめ始めた時に出てきたのがこのアイテムです。 下見の時からそのバランスのよさと品の良さで気に入っていたアイテムの一つだったので、ラストチャンスと思ってかなりのところまでビッドアップに付いていくつもりでいました。
直前のアイテムが予定価格の2倍以上もする1500ポンドで落札されて、場内がざわめいたまま始まったビッドでみんなの意識が集中してなかったせいか、3人だけのビッドになって、50ポンド刻みのプライシングを100ポンド飛ばしてビッドしたら相手の声がとまってしまい、予想よりもかなり低いところであっさり落札することができました。 ラッキーっていう感じでしたね。
てな訳で、1000ポンド以下では手放す気にはなれないアイテムです。
(1ポンド=約190円) |