フランスものらしくハンドルの材質にはブラスを使い、華やかな感じがします。 ワームは少し短めですが、フランスで一番良く使われるセンターワームです。 パリ辺りにあるしゃれた小さなホテルの洗面所についている水道の栓のような形、いかにもおフランスという感じですね。
このアイテムの最大の特徴はハンドルとワームの継ぎ目のところにヘンシェルタイプのボタンが付いていることです。 ヘンシェルタイプはWeek1でご紹介したくらいの、アンティークコルクスクリューの古典中の古典で、その小さなボタンをつける構造で18世紀の終わりにコルクスクリューとしてはじめての特許をとった製品として有名です。 ヘンシェルが最初に作られたのはもちろん英国ですし、その後もアメリカ製に若干のコピー製品があるくらいで、英国製以外のものはほとんどありません。 ドイツあたりももっとメカニカルなものについては英国オリジンの製品のコピーをずいぶん多く作っていますが、ヘンシェルタイプは稀なようで、ヘンシェルタイプは英国固有のデザインということができるでしょう。
一方、誇り高きフランスは他国デザインの模倣は大嫌いなようで、ペリーユ社の製品などフランス独自のデザインのものを作る傾向が強く、ましてや英国コルクスクリューの象徴のようなヘンシェルタイプなどまずお目にかかれるものではありません。 したがって今週ご紹介しているヘンシェルボタン付きのフランス製品はかなり珍しいアイテムなのです。
でもそこはフランス人のことですから単純に英国のマネなんぞしませんね。 英国のヘンシェルタイプが、素朴なスチール製のシャフトと木製のハンドル(バラエティーとしてはせいぜい骨でできたものがあるくらい)であるのに対し、いかにもフランスというデザインに仕上げています。
全体に作りが華奢でボタンも小ぶりなので、ヘンシェルの機能的な側面、すなわちワームをねじ込んでいった最後にボタンの部分がコルクに接してコルクを動かす、という点では十分とはいえません。 でもそんなことより、フランス人のプライドの塊りといった感じがして私の好きなアイテムの一つです。
フランス品だけを集めている人、ヘンシェルだけを集めている人からみればどうしても欲しくなるアイテムだと思いますが、お値段は150ポンド程度でしょうか。
(1ポンド=約190円) |