他の機能を持った道具と組み合わせたれたコンビネーションのコルクスクリューは主に英国とアメリカそしてドイツで作られていました。 フランス人はあまり機能の便利さにこだわらないせいか、シンプルなデザインを重視してコンビネーションものには熱心ではなかったようです。 そういう意味でフランス製のコンビネーションコルクスクリューはかなり珍しいのですが、さてここで問題です。
ーこのハサミのようなものは何をする道具でしょうか?
これまでご紹介したコンビネーションでも、英国製のレモネード(ラムネ)のびんオープナーが付いたものがありましたし、20世紀のアメリカではビールなどのキャップの栓抜きのものが多く作られるなど、一般に「他の飲み物のボトルを開ける道具」というのが多いようですね。 これがヒントです。
では19世紀中ごろのフランスにおける代表的なほかの飲み物といえば何でしょうか?
ーピンポーン!! そうです、シャンペンですねー。
実は写真で言うと最上部のところに、小さな切込みがありまして、そこでシャンペンの針金を切るハサミになっている、というのが正解です。 はさみのハンドル部分は開くとちょうど水平ぐらいになって、一応T字型のストレートプルのコルクスクリューになるようにできています。
「一応」といったのは作りが割りと細身ですし、ワインのコルクを引き抜くのに十分のチカラを加えやすいかというと必ずしもそうではないからです。
この道具は「シャンペン・シザース」と呼ばれるくらいで、コルクスクリューが主たる要素ではなくて、シャンペンの針金きりのハサミにコルクスクリューが付いているという風に考えた方が良いようです。 以前に紹介した英国製のシャンペンニッパーと比べるとデザインを重視したフランスらしい主張があって、うれしくなるようなアイテムですね。
20世紀の新しいものもありますが、19世紀のものはかなり珍しいのでオークションなぞにもよく登場します。 年代の判定は刻印してあるメーカーのマークですが、現物を見てみればどの程度に古いものかは大体わかります。 オークションでは100ポンドくらいの最低希望価格で出るようですね。
(1ポンド=約190円) |