ダブルレバーは英国のヒーリーが現代のダブルレバーコルクスクリューのひな形になるような先駆的なデザインのものを作って以来、その安定的な機能が評価されて多くの製品が各国で作られました。 中でも一番熱心だったのはイタリアで、ブラス製のイタリアらしいものから、携帯性をもたせたものなどさまざまな形のものがイタリアで作られでいます。 現代の人気商品であるアレッシ社製のコルクスクリュー製品につながっている流れですね。
それに比べてフランスではあまりダブルレバーは作られなかったようです。 フランスを代表するペリーユ社もいくつかのシングルレバーのデザインは作っていましたが、ダブルレバーの製品は残っていません。 フランスは英国が得意なものはやらないとか、イタリアが作ってるものには手を出さないとか、とにかく独自性にこだわるという国民性のためなのでしょうか・
そういうフランスにもダブルレバーにこだわった人がいました。 Henri
Paraf という人で、20世紀になってからではありますがいくつかの種類のダブルレバーで特許をとっています。 そのなかで1927年に特許をとった
”TYR” という名前の付いたデザインが上の写真です。
とくにこれといって優れた機能があるわけではないのですがコルクスクリューのハンドルとレバーを兼用にしたというところがミソなのでしょうか。 無駄を排除したということでユニークなデザインにはなっているのですが、ダブルレバーのデザインのその後の発展を見ると、コルクスクリューのハンドル部分が栓抜きになったりして、かならすしも無用の長物ということにはなっていないのです。
フランス人の意地と誇りが作らせたデザインだからというわけでもないでしょうが、それほど普及した製品ではなかったようで、20世紀のアンティークとしては比較的貴重なものとされています。 クリスティーズのオークションなどでは300ポンド程度の最低価格で出されるのが一般的で、それ以上で落札されることが多いようです。
アンティークの価値は最後は使いやすさよりも珍しさですからね。
(1ポンド=約190円) |