ペリーユ社は先週のDIAMONTのように一つのデザインに固有の名前が付いたものも作っていますが、19世紀の後半に始まった量産メーカーの一つでもあり、普及品も数多くつくっています。
写真のアイテムがその典型ですが、これまでに何種類かご紹介してきたペリーユと比べてもそのデザインとメカニズムが格段にシンプルであるのがわかりますよね。
シャフトについているネジが逆傾斜になっていて、ハンドルを右に回すとワームが上がってくるようになっています。 これはネジでてこの原理を使ってコルクを引き抜こうとするわけですから当然のメカニズムなのですが、ほかに何も工夫がないので、コルクが上がって来るときに右に回転しながらあがって来ることになります。
二重ネジ構造やフライナット方式はコルクをまっすぐ上に抜き上げるために開発されたメカニズムですが、これらに比べるといかにも工夫のないメカニズムといわざるをいません。 最初にワームをコルクに差し込むときにもコルクスクリュー全体を持ってねじ込んでいく方式ですから、これもまた素朴ですよね。
しかし、本アイテムの良さはまさにその素朴さにあるのでありまして、すっきりしたデザインに加え、金属部分も経年変化で適当にくたびれてきているので、金属特有の冷たい怜悧な点が緩和されており、手にすると何かほっとするものを感じさせます。 これぞまさに人々の手を経てきた古いものだけが持つアンティークの良さではないでしょうか。
アンティークファンなら、どこ製の何々と言った由緒正しきアイテムを集めるのもいいですが、こうした名もないけれど風合いの良い、ひと目で欲しくなるようなアイテムを集めることの楽しみは大事にしたいものですね。
ずいぶんとメカニズムにケチをつけましたが、ワームの構造はしっかりしてますし、引き抜くときにコルクが回転するというのも、よほどのアンティークワインかビンテージポルトのコルクを抜くんでなければ、実用性では大きな欠陥になるものではありません。 日常使用のためにはむしろ大げさでなくていいかもしれませんね。
ロンドンあたりのコルクスクリュー専門のアンティークショップでは、その他大勢の箱の中に放り込まれているようなアイテムで、30ー50ポンド程度では買えるはずです。
(1ポンド=約190円) |