ダブルレバーのメカニズム(「レバー式」のページを参照してください)は現代でも人気のある使いやすいものなので、わたくし江口も現代ものとしてオススメしているところです。
そのダブルレバーのデザインの原形が
1888年に英国のジェームズ・ヒーリーが特許を取った
"AI Double Lever" という名前のアイテムです。
そのヒーリー氏の James Heeley &
Sons
という英国バーミンガムのメーカーがコルクスクリューの世界で有名になるきっかけになったアイテムです。
この特許、実はその 8年ほど前の1880年にバーミンガムで小さな鋳物工場をやっていた
ウィリアム・バートン・べーカーという人がすでに類似の特許を取っていたという記録が残っています。
ヒーリー氏のはそれをちょっと変えただけだったんですが、結局共同特許ということにして、うまく事業家に持っていったと言われています。
いつの世にも、本当の発明者というものはアイデアをなかなかお金につなげることができなくて、事業の才覚のある人がそれを成し遂げるんですねー。
(まあ、世の中、両方の種類の人がいないとイケナイということなんでしょう)
ヒーリー社のダブルレバーは鉄でできた本体(鋳物です)に、ブロンズ色のラッカー塗装を施しているのが特徴で、錆の防止とともに装飾性を狙ったものであったようです。
19世紀も終盤の1890年頃になると、その後百貨店に展開していくようなお店がカタログを作るようになっていましたが、この
"AI Double Lever" などはカタログに掲載される人気アイテムだったようで、このブロンズ塗装もそういう売り方を反映した大衆受けするような装飾性の付加なのだろうと思います。
19世紀中頃のトマソンタイプなどが本物のブロンズやブラスで作られていたのと比べると、この時代にワイン文化がかなり大衆化していく経過が感じられて面白いですね。
(上の写真のは程よくブロンズラッカーの色が残っていて良い風合いが出ています)
メカニズムについては特に説明を要しないと思いますが、現代のダブルレバーとはちょっと様子が違っています。
現代のものはフレームの肩の部分に丸い歯車がついているのがほとんどですが、このヒーリーは片方だけ見るとちょうど井戸のポンプのように、てこの原理そのままにシャフトを押し上げるようになっています。
最近はダブルレバーのことを見た目からくる呼び名で
「ウィング式」 という風に呼ぶこともあるようですが、この写真を見るとどうしても
「ダブルレバー」だと思いませんか? (メカニズムによる分類にこだわる江口のヒトコトでした・・・)
定番品ですからお値段はそうバラつきません。
状態にもよりますが一声100ポンドというところです。
(1ポンド=約190円) |