歴史的には相当古くから作られていたタイプですが、英国でコルクスクリューの特許を申請するのが一般的になった19世紀のはじめ頃にはもう出回ってしまっていたため特許が成立しない状態だったんだろうと思います。
19世紀に入って Farrow&Jackson
というメーカーが製造販売していたので普通は
「ファローアンドジャクソンタイプ」 と呼ばれていますが、それより以前の
18世紀にもすでにこのデザインで相当数が作られていたようです。
年代が確認できるものとしては、1799年に作られたファローアンドジャクソンタイプの
の銀製のコルクスクリューがあります。 なぜ年代が正確に確認できるかはお分かりですよね。
英国の銀製品はすべてホールマークが刻印されていて、何年にどこで誰によって作られたかが分かるようになっているんです。
ホールマークはロンドンの James Kidder
のもので、ファローアンドジャクソンタイプとしては初期のデザインというよりはかなり完成度の高い(すなわち上の写真のような19世紀のものとほとんど違わない)かたちをしているので、これよりも数十年前から類似のデザインが作られていたのだろうと考えられています。
18世紀のコルクスクリューを専門に集めているというマニアックな人たち(わたくし江口も一部の方たちにかなりマニアックだと思われているようですが、この世界にはもっとスゴイ人がたくさんいるんですヨー
なにせ集めてるものからしてかなり トゥイストしてますからね)
が集めているフレーム物はほとんどファロ−アンドジャクソンの原形というべきようなデザインのものです。
私の一品もそのうちご紹介します。(多分オタカラコーナーにでることになるでしょう)
メカニズムは19世紀後半のトマソンのように二重ネジを使ったものとは違いシンプルな一重ネジで、ネジのメカニズムはコルクを引き抜くのに使われているだけです。
コルクの中央に確実にワームを差し込んでいくという部分にはメカニカルな補助がないので、これには通常の注意力が必要です。
通常このアクションはハンドルを持って行うのですが、このファローアンドジャクソンはハンドルがないのが最大の特徴です。
でもフレームの形が肩幅広く作られているのでハンドルがなくても扱いやすさはまったく劣っていません。
コルクをねじ上げていく時はつばさのような形をした部分をねじっていくのですが、これも力が入りやすくてクラシックな割には良くできた構造だと思います。
作りもしっかりしているので実用性が高く、私なんぞも普段良く使うアイテムの一つです。
そういうフレームタイプの元祖みたいな古くてかつ使いやすいデザインなので
本ページでも 「コルクスクリューよもやま話」の冒頭を飾っています。 (そう言われて 「道理でどこかで見たと思った」
というアナタはかなり私のページに精通している人、特別表彰ものです!)
そちらのページに掲載しているのは少しデザインが違うんですが、そちらのアイテムの方がちょっとだけ新しいデザインで、今週のアイテムがやや古いデザインです。
でも、作られたのはいずれも19世紀の半ばくらいということで、お値段はいずれも
250 ポンドくらいだろうと思います。
(1ポンド=約190円) |