Corkscrew of the Week


先週ご紹介したアメリカ製の「クロウ」社の製品について、もう少しバリエーションをご紹介しましょう。 大量生産を可能にした製造機械の威力をいかんなく発揮したアメリカらしい展開を示しています。

Corkscrew of the Week #037 (July 8 2001)
アメリカ製 19世紀後半

アメリカはニュージャージーのクロウさん、針金を木製のハンドルに巻きつけて自動的にコルクすクリューを作ってしまう機械を発明すると同時に、クロウ社を起こし事業を展開した訳ですが、安価な材料を使っているだけに高級品として売る訳にはいかなかったのです。
高級イメージが漂ってると、値段も高く付けられて儲けも大きいですよね。 でも、残念ながらクロウ社の製品はそれにはフィットしませんでした。

でも、ここからがアメリカンビジネスマンの本領発揮です。 いつから始めたかは定かでありませんが、クロウさんこのコルクスクリューを広告宣伝物すなわち販売プロモーションのおまけとして売り込みはじめたのです。 1900年ころになると、左の写真のようにワームをカバーするための木製の鞘をつけたものが出回るようになったのですが、その鞘にワインショップの名前や食料品店の名前を印刷した宣伝用のものが多く見られるようになりました 。 この鞘も、もともとはワームの先端をカバーするだけのために付けられたのかもしれませんが、コマーシャルに使えるものは何でも使おうと言うアメリカンスピリットがこのビジネスチャンスをもたらしたものと思います。

さらにコストダウンを図ったのが、右の写真のものです。 ついにハンドルまで針金のリングになってしまいましたが、それでも全体の針金の使用量も少ないし、徹底的なコストダウンの跡が見られます。 でも、広告のスペースである木製の鞘だけはしっかり付いていて、スポンサーのバナーが掲載されていたのです。 これになると、コルクスクリューとしての使い勝手とかは、ほとんど無視されている感じで 「よもやま話」 にご紹介したような、コルクスクリューがなくて困った時にはこれでも役に立つという程度のものです。 でも商品のおまけに付けるんだったら、PR効果もあるしこんな程度で十分ですよね。

ヨーロッパの手作りのアンティークコルクスクリューから比べると、そう時代も変わらない頃にアメリカでは広告宣伝用途は言え、ただであげてしまうようなコルクスクリューが作られていたなんて、考えてみると面白いですよね。 アンティークの楽しみはアイテム一つ一つの古くて重みのある味わいといったものもさる事ながら、こうした当時の世界の状況を感じられるところにもあると思うのですがいかがでしょうか。

それぞれ30ドル程度で買えるとおもいますが、それも広告のユニークさとか面白さによります。 何も広告が書いてないのは安いでしょうし、当時の世相を反映しているようなめずらしい広告のものは相当なお値段になるかも知れません。

(1ドル 大体 120円です)


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