Corkscrew of the Week


ふと気が付くと、これまでヨーロッパのものばかりご紹介してきたような気がして、今週はアメリカのアンティークコルクスクリューをご披露しましょう。 アメリカ製のなかではコレクションアイテムとして大変人気のあるものです。

Corkscrew of the Week #035 (June 24 2001)
アメリカ製 20世紀初頭

これまでヨーロッパものが中心だったのは、ワインとかアンティークの世界ではどうしてもヨーロッパが中心になることが理由であって、決してわたくし江口がヨーロッパかぶれというような理由ではないのです。 むしろ江口個人はアメリカかぶれの方が強いくらいなのですが、何についても世界の先進国のようなアメリカでも、ことアンティークとかサッカーといった種目ではヨーロッパに歯が立ちませんからしょうがないですよね。

コルクスクリューの分野では19世紀の半ば過ぎからアメリカも新製品競争に参入するのですが、大衆用のものを量産するという目的で作られたものが多いため、初期のものでもアンティークとしてはクオリティー的に今一つと言わざるを得ません。 いかにもアメリカ的ですね。 そういう中で、高級品志向で作られたシルバー製のコルクスクリューが上の写真のアイテムです。 ニューイングランドのメーカーが20世紀初頭(1905年頃)に作りはじめたもので、デザインはイギリスのウェリントンブーツのようなブーツの形をした鞘にワームが収められています。 抜いた状態は拡大写真で見てください。 (写真をクリック)

ハンドル部分が栓抜きになっているのは今の時代に見てみるとどうってことはないのですが、これはアメリカでビールビンなどの栓に王冠とよばれる現在のようなキャップを用いるようになった初めの頃に作られたもので当時としては大変新鮮だったんだと思います。
したがって、アメリカとしては珍しく高級感があり(台所の隅にころがっていた普及品ではないという意味で)、かつ栓抜きがまだ珍しかった頃の一品として、コレクターの間で人気があるという訳なのです。

実用性の方は、栓抜きのところに指を一本引っかけて抜けというやや乱暴な構造なので、決して実用的とは言えません。 栓抜きのところにブーツの部分を通してハンドルにしようとする人が多いのか、ブーツの鞘がへこんでいるものも多く、完全な形のものが少ないのが残念です。

状態のいいものだと 300ドルは払わないといけないでしょう。 アメリカのアンティークマーケットでこうした小物を扱っているところであれば、見つけられるチャンスはかなり高いと思いますし、ロンドン辺りで上手く見つかればそちらの方が安いかもしれません。 どういうわけかアンティークは大体の場合自国のものが高くなる傾向にあるのです。

(1ドル 大体 120円です)


バックナンバー これまでの「今週のコルクスクリュー」が
こちらで見られます。