Corkscrew of the Week


先週の続きのような話しになりますが、きわめてユニークなメカニズムのものをご紹介します。 スウェーデン製というところもコルクスクリューの世界では大変ユニークですが、考えてみれば機械製品では優れたものを送り出している国ですから不思議ではありませんね。

Corkscrew of the Week #032 (June 6 2001)
スウェーデン製 19世紀後半

先週バー用のコルクスクリューをご紹介した際、ワームの形をお見せするために登場したコルクスクリューについてもう少しくご紹介しましょう。 (先週のページをご覧になってない方はまずそちらをご覧ください)

写真のコルクスクリューはワームの上の部分が (写真では金属製のシャフトの中に収納されてますが) あと5センチほど伸びるのです。 伸ばした状態でコルクスクリューをワインボトルのコルク栓に当てて上から押し下げるとその圧力だけでワームはコルクの中に差し込まれます。 普通のものより細身で鋭角的なワーム (スピードワームとよばれています)がそれを可能にしている訳ですね。
そこでハンドル部分を持って引きあげると、ワームはロックされて伸びないように固定される仕掛けになっていて、そのままコルクが抜けるというものです。

力を補助する仕組みが何もないのでちょっとチカラが必要ですが、押し下げてそのまま引き上げるとコルクが抜けるというものなので、 プロレスラーか何かだったらこれ以上の進化は必要なかったんでしょう。 しかしか弱き普通の人にはチカラを補助する仕組みが必要で、これにレバーを付けてバーカウンターに固定できるようにしたのがバー用コルクスクリューという訳です。

一見関係なさそうなバー用コルクスクリューとこの細身のコルクスクリューの関係、お分かりいただけましたか?
この細身のコルクスクリューは1893年にスウェーデンのクバルンシュトルムという人が特許を取っているものです。 ところがバー用コルクスクリューの特許競争はこれよりも早く始まっており、スウェーデンのリンドシュトルムの1870年の特許を皮切りに、アメリカのミュアー、ハーレーといった人々やイギリスのチェンバースなどが 80年代から 90年代にかけて次々と特許を申請しています。
どうやら クヴァルンシュトルム さんはバー用コルクスクリューの原形の特許を取った人ではなくて、バー用コルクスクリューの原理からレバー部分を外したものを作って (実用的じゃないから誰も特許を取らなかったようなもので ) 特許を取った人のようです。

何度もお話してきましたが、あまり実用的じゃないもの、イコール大量には作られなかった、イコールコレクターの人気の的という図式はここでもそのとおりで、1996年のクリスティーズのオークションでは 700ポンド以上で落札されたという記録があります。 江口はそれよりもかなりお安く手に入れたのが自慢でもあるのです。

(1ポンド大体 175円です)


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