Corkscrew of the Week



今週はきわめてユニークなメカニズムのものをご紹介します。 フランス製です。 フランスが得意なメカニズムといえばレバー式のコンセルチーナがその代表ですが、今週のコルクスクリューはその次世代品と言えるかもしれないものです。
Corkscrew of the Week #027 (Apr. 15 2001)
フランス製 1930年頃

このコルクスクリューは 「テレスコピオ」 と呼ばれているものですが、名前の由来は以下の説明を見ていただければ分かると思います。 最初にユニークなメカニズムをご紹介しますとは言ったものの、このメカニズムは実は説明が難しいのが頭痛のタネです。 大概のコルクスクリューはメカニズムが外から見えるのですが、これは見えません。 見えないところで大変面白い働きをしているので、説明が難しいのです。

胴体部分を良く見ていただくと、ワームに近い下の部分と、ハンドルに近い上の部分の二つに分かれているらしいことがお分かりいただけると思います。 下の部分はワームを引き上げる部分、上はハンドルで引き上げる部分です。(全然説明になってない? 私もそう思います) 下の部分は高さが約6センチ、上の部分は12センチぐらいあります。
ハンドルを引き上げると上の部分は、ちょうど昔の望遠鏡のように4段の中筒がでてきて、長さは上の部分だけで 25センチくらいになります。すると下の部分がワームを引き上げるのですが、その引き上げる巾は約4センチです。 (何故そうなるのかはともかく、とりあえず黙って聞いてください) すなわち、そのままコルクを引き抜くのに比べれば 3分の1の力でコルクを引く抜くことができるというワケです。

これって、話だけは 「コンセルチーナ」 に似てますよね。 テコの原理で引き上げる巾を大きくして、少ない力でもコルクが抜けるようにしようというところです。 まさにこれが 「テレスコピオ」 が 「コンセルチーナ」 の次世代品かもしれないといった理由です。
でも、コンセルチーナとは全然形が違うじゃないかって? そこまで聞いてくれる人、ウレシイですねー。 テコの原理を使ったものには大きく分けて3つあるって、学校で習ったの覚えてますか。 「レバー」 と 「ネジ」 ともう一つは 「滑車」 です。 コルクスクリューは小さな力でもコルクが抜けるようにテコを使ったものが多いですね。 レバー式はもちろんですし、フレーム式の大半はネジの原理を使ったものです。
それにしては、 「滑車」 を使ったものがないではないか、という発想で作られたのがこの 「テレスコピオ」 だと思われます。 じつは、この望遠鏡風の筒の中に滑車とおなじ仕組みが格納されていて、ハンドルを13センチほど引き上げると、ワームが4センチ引き上げられるのです。

さて、この滑車メカニズムはコンセルチーナの後継になったのでしょうか。 答えは NO です。 たしかに、コンセルチーナの欠点であった巾が広いという難点は克服されてますが、それ以上に長さが異常に長いという問題点を抱えています。 (伸ばした時の全長は 40センチ近いんですから・・)
滑車の原理をコルクスクリューに使ってみたということで、はなまるヨクデキマシタ、ということなのですが、実用性は今一つだったということのようです。 この一つのモデルしか商品化されなかったようですが、それだけにコレクションアイテムとしては貴重でもあります。

20世紀のものでもあるので、お値段は 50ポンド程度ですが、みつけるのは結構大変でした。

(1ポンド大体 175円です)


バックナンバー これまでの「今週のコルクスクリュー」が
こちらで見られます。