一枚の写真で構造がよくわかるように、開いた状態と閉じた状態のちょうど真ん中になっていますが、シャフトが二つ折れになっていて、たたみ込むと両側が折れ曲がった形のハンドルにすっぽりと収納され、伸ばすと実にすっきりした
T字型になるものです。
時代はワームの形などから推測すると1800年前後のものだろうということになっていて、世の中には18世紀のものだけをコレクションしてる人もいるのですが、このデザインはその中に加えられているようです。
英国製と考えていますが、アイルランド製かもしれません。
スティールの性質や、ワームの形からみると
18世紀のアイルランドのほかのポケットタイプにきわめて似ているからです。
当時の、アイルランドはガラス器やスチール・銀製の工芸品で英国と競っていたようで、優れたものを作っていましたが、英国製と酷似したデザインのものも作られていたそうなんです。
確かに携帯性には優れていますが、決して使い勝手は良くありません。
あくまでデザイン本位で、古い時代のものであることからコレクションとしての価値が高く、コレクターの間では人気のあるものです。
このシャープなデザインや繊細で技巧に走らないシンプルなシャフトのカットなどは、ほれぼれするほどの素晴らしさです。
すでに何度も言いましたし皮肉な言い方かも知れませんが、「デザインが目を引いて出来栄えはいいけど、使いにくいからすぐに姿を消してしまった」というのが、貴重なコレクターアイテムの条件なのです。
18世紀の終わり頃のものとなるともう、「ミディアムレア」ではなく「レア」アイテムですから、お値段もお安くありません。
状態により300ポンドから500ポンドというレベルでしょうか。 |