ポケット・タイプ
これまで江口流はコルクスクリューをコルクを抜く時のメカニズムによって分類すると言ってきましたが、ここで突然使用目的による分類が登場しました
(スイマセン)。
それだけ、ポータブルタイプのコルクスクリューに対する需要は昔から強かったと言うことであり、また多くの職人やメーカーがそれに応えようとしてきたという証拠です。
それもそのはず、コルクスクリューはその 9割以上のものに例のワーム(ネジネジの部分のことです)が付いていて、その先端は尖っている訳ですが、コルクスクリューをポケットに入れた時にワームのとんがった先っちょが我が身を傷つけたり、何かを引っかけたりしないように、いろいろな工夫がされている訳です。
ポケットタイプのメカニズム的には圧倒的にストレートプルが多いのですが、レバータイプのものも少なくありません。
レストランでよくソムリエが使ってるやつもそうですネ。
以下に代表的なものだけご紹介します。
1. フォールディング・ボウ
19世紀からイギリスで多く作られたモデルで、スチール製のループ状になったハンドルにワームを折りたたむようになっていて、使う時にはワームを反転させると、ループ状のハンドルがついたストレートプルになります。
鉄製のループは古い味わいのあって、丸いもの、ハート型、トライアングルのものなど形のバラエティーも楽しめます。
アイルランド製にもかなり古い時代の物があって、コレクターからは注目されています。

イギリス製のフォールディング・ボウ
2. ラウンドレット
現代のデザインでは使われていませんが、江口の好きなデザインです。
ハンドルにもなるバレル型のケースの半分をネジって開くと、なかからワームが出てきます。
これを 90度回転させてセットし、もう一度開いた半分をねじ込んでハンドルにすれば、T字型のストレートプルになる訳です。
イギリス製のものが多く、クロムめっきのもありますが、シルバー製のものも少なくありません。
イニシャルの入ったものも多く、ピクニックや狩りの時にランチのセットと一緒に持っていったり、またプレゼントなどにも使われたのでしょう。

シルバー製のラウンドレット
3. ナイフ・タイプ
ワームのとんがった先端を格納する方法として古くから使われてきたデザインの一つにナイフ・タイプがあります。
実際、ポケットタイプのコルクスクリューを必要とするようなオケージョン(旅行、ピクニック、ハンティングなど)には、ハムやチーズを切るためのナイフも同時に必要なので、目的にかなった組み合わせなのです。
ナイフ・タイプのバラエティーが豊富なのは何と言ってもフランスですが、古くからナイフタイプの折り畳みコルクスクリューを作っているラギオールは、現在でもソムリエ・タイプで有名ですね
。

ラギオールのポケット・タイプ
4. ピクニック
ポケットタイプがよく用いられたのは、ピクニックの時ですが、20世紀にいたるまでイギリスなどではワインボトルも入るようになっているピクニック用の大きなバスケットにお皿、シルバーウェア、グラスがセットが入ったものが人気商品でした。(今でももちろんハロッズなどで売っています)
そうしたセットに必ず付いていたのがこの種のコルクスクリューで、特にピクニック・タイプと呼ばれています。
でも起源は古くて、18世紀のものを見つけるのも決して難しくありません。
先にリングがついてて、これをねじって抜いたあとリングのところにさやの部分を差し込んでT字かたにするものです。

イギリス製のピクニック