フレーム・タイプ

1.フレーム・タイプ

ハンドルとワーム(ネジの部分)との間にフレーム状のものがくっついていて、これが楽にコルクを抜ける仕組みを構成しているもの。 アンティークのものには、がっちりとした四角い感じのフレームが多いのですが、最近ワインオープナー(これ国際語じゃないから江口は普段使いませんが)の中で一番売れているプラスチック製の Screwpull っていうヤツも、実は19世紀からあるフレームタイプのものと同じメカニズムなのです。
要するにハンドルの部分を回転しつづけるとワームがコルクにねじ込まれ、続いて回転によってコルクを引き抜くようなメカニズムのものがこのタイプですが、その回転を引き抜く力に変える方法がバラエティーに富んでいてコレクターを飽きさせません。 ハンドルを回転させるところでてこの原理が働いているために、あまり力を使わなくても容易に抜くことがでます。



2. フランス製のフレーム・タイプ

比較的探しやすいフレーム・タイプのコレクションアイテムは19世紀のドイツ製のものです。 やや機能本位でデリケートな感触に欠けますが、メカニズムとしてはいかにもドイツらしい先進性を感じさせられるものがあります。 もう少しデリケートさを求める人におすすめなのが、フランス製のペリーユというメーカーが作っていた、クロムめっきの繊細なデザインのものです。 古臭い感じがしないので、アンティークとしてはきれいすぎるという人もいるかも知れませんが、使い勝手といいほど良い古さといい、ディナーテーブルで日常的に使いたくなるものです。
(ちなみにアンティーク・コルクスクリューは「使える」というのが価値であり、わたくし江口は高価なものでもどんどん使っています−もっともかなり丁寧に扱ってはいますが・・・)


フランス、ペリーユ社のフレーム・タイプ
3. トマソン・タイプ

イギリスには19世紀の初頭から、重厚な感じのメカニズムのしっかりしたフレーム・タイプのものが多くありました。 一番古いのは1802年にその特許を取ったエドワード・トマソンの名前をとってトマソン・タイプと呼ばれています。 見た目は高級小道具品といったおもむきですが、それもそのはず、当時は別室でバトラーが抜いてくるのが一般的だったコルク栓を、ホストがお客様の目の前で抜いてみせようというのが流行し、そのための道具だったというのですから・・・ 見た目も豪華でなきゃいけないし、ましてやご主人様が恥をかかなくてすむように、自然にコルクの真ん中にワームが刺さるような構造とメカニズムはたいしたものです。



イギリス製のトマソン・モデル

4. コーヒーグラインダー

イタリアはメカニズム的には傑出したものが少ないのですが、ブラス材を中心にデザインについてはほれぼれするようなものが少なくありません。 そうした中で特徴的なのが、このコーヒーグラインダーです。 ほかの国でも作られていたのかもしれませんが、コレクターの間ではコーヒーグラインダーと言ったらイタリア製というのが定着しています。 中心にある小さ目のハンドルでワームをねじ込んだ後コルクを引き抜くのは、コーヒーグラインダーのような回転ハンドルをまわすのです。 実をいうと使い勝手今一つなのですが、デザインを見れば絶対に欲しくなる一品です。



コーヒーグラインダー

5. アメリカ製のフレーム・タイプ

19世紀のアメリカはまだイギリスやドイツのものを模倣して作っていたものが多いのですが、19世紀も後半になるとユニークなものが出てきます。 アンティークのなかでは比較的新しいのですが、1862年にチノックという人が特許を取ったものですをご紹介しましょう。 じつはこれ、メカニズムと構造が現代のスクリュープルとまったく同じなのです。 でも、このタイプが当時そんなに売れたと言う形跡はありません。 理由は簡単、うまくコルクが抜けず、コルクが割れたり、結局ちからまかせに引き抜かざるを得なくなったりするからです。
では、なぜこんにちスクリュープルが爆発的に売れているかと言うと、その間に材質の画期的な進歩があったからです。 チノックの当時に宇宙航空技術から出た細くても形のくずれない特殊合金があって、コルク内での抵抗を最小限にとどめるテフロン加工なんてものがあったら、チノックはきっと大金持になっていたでしょう。



チノックのフレーム